「サンラ商法」は証券取引法に違反していないのか
2007.01.12 Fri
昨年11月中旬から閉鎖されていたSCM(サンラ・クローズド・マーケット)が、9日から営業を再開した。http://www.scm-online.org.uk/
営業再開にあたって、サンラ・ワールド社は適法性に留意したのだろうか。コンピュータ・ネットワークを使って有価証券を取引するPTS(私設取引システム)は、証券会社ならば、金融庁の認可を受けることで開設できる(証券取引法:第29条1項3号)。ところがサンラ・ワールド社は、金融庁に登録された証券会社ではないし、PTS開設の認可もとうぜん受けていない。
PTSの認可を受けている証券会社('06年8月31日現在)
■BGC証券会社東京支店■ICAP東短証券■インスティネット証券会社東京支店■エンサイドットコム証券■カブドットコム証券■ジェイ・ボンド証券■セントラル短資証券■トレードウェブ・ヨーロッパ証券会社東京支店■日本証券代行■日本相互証券■ブルームバーグ・トレードブック・ジャパン証券■マネックス証券
免許・登録を受けている業者一覧〔金融庁〕 http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
サンラ・ワールド社が『SCM』の開設を準備していた'04年当時、SIC(サンラ・インベストメント・クラブ)の定例会で増田俊男氏は、「出資法や証券取引法に触れないよう、アジア圏の外国に設置する」と発表していた。しかし、実際の運営はサンラ・ワールド社が日本国内で行っている可能性はある。『SCM』で取引きされる有価証券は、サンラ・ワールド社が募集・販売してきた『SCH社』(サンラ・キャピタル・ホールディングス)の有価証券のみである。投資者の手元に『SCH社』の株券はない。『Asian Dream,Inc.』が発行した「株式保有証明書」が、株券に代わるものとして渡されている。そしてサンラ・ワールド社は、『SCM』に登録した投資者から『Asian Dream,Inc.』の「株式保有証明書」を預かり、投資者相互に『SCH』株式の権利を売買させているのだ。『SCM』の管理者でないのなら、サンラ・ワールド社が「株式保有証明書」を預かりはしないだろう。


『SCM』の開設・運営には違法性が疑われるが、そもそも『SCH社』の有価証券の販売そのものが、国内法を犯しているおそれがある。『SCH社』は'02年、バミューダに設立されたサンラ・ワールド社のグループ企業だ。株式のほとんどをサンラ・ワールド社の経営者一家と、『Asian Dream,Inc.』が所有している。そして投資者の代理人と称する『Asian Dream,Inc.』は、タークス&カイコス諸島に設定された「ノミニー会社」だが、その代表者がサンラ・ワールド社の社長・江尻眞理子氏であることが民事裁判のなかで明らかとなった。すなわち江尻社長と増田氏は、自己の所有するペーパー・カンパニーを媒介して、実質的に支配権を握るグループ会社の有価証券を業として販売してきたのだ。

内閣総理大臣の登録を受けた「証券会社」や「証券取引業者」ではない者が、営業として有価証券の売買・媒介・取次ぎをすることは、証券取引法によって禁じられている。



